オゾンとは
オゾンとは、化学式で酸素はO2、オゾンはO3であることから分かるように、3つの酸素原子からなる酸素の同素体です。ギリシャ語のOzein(臭う)を語源とし、特有の臭いを持っています。
自然界では、大気中の酸素に太陽の紫外線が作用することで作られます。オゾンでよく知られるオゾン層は、地球の上空20〜30km付近に存在しており、濃度は10〜20ppmです。オゾンは、上空に限らず、地上付近においても、太陽の紫外線による作用で生成されています。濃度は、都市部で0.005ppm程度、晴天時の海岸や森林で0.02〜0.05ppmといわれています。
オゾンで除菌するメカニズム
オゾンには酸化作用があり、医療や食品、農業などの分野において、除菌や殺菌、ウイルスの不活性化、脱臭、有機物の除去などに用いられています。では、なぜオゾンで除菌や脱臭などが可能なのでしょうか。ここでは、そのメカニズムについて解説します。
オゾン(O3)は、菌や臭いの物質に反応すると、酸素原子3つのうちの1つを分離させ、酸素(O2)になろうとします。すると菌や臭いの物質は、分離したオゾンの酸素原子と融合し、酸化させられ、破壊されるのです。これが、オゾンが除菌や脱臭をするプロセスです。
菌や臭いが破壊された後に残るのは、酸素のみ。つまりオゾンは菌やウイルス、臭いの分子などと反応すると、酸素に戻るのです。また、菌やウイルスに反応しなかったオゾンも、時間が経つと自ら酸素に戻る性質があります。そのため、オゾンを発生させ続けても、濃度が上昇し続けることはありません。
このように除菌力が高く安全性も高いことから、医療機関や飲食店、介護施設や保育園などでもオゾンによる除菌や脱臭が行われています。